松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2011年10月のサロン

10月22日のホリデーサロンでは、7名の参加者がありました。

以下、参加した学生の干村さんが会のようすを記録をしてくれたものです。

【東京の患者さんのところへ行った話】

  • いわゆるTLSの患者さん。瞬きもできないので目をつむった状態。目薬を入れて、完全にくっついてしまわないようにしている。
  • 高校生の息子さんがいて、お父さんらしい雰囲気をしていた。
  • ヘルパーさんの話によると、コミュニケーションはとれないが、奥さんが部屋に来ると、表情がふっと変わるようなことがあるという。若干の変化。


【生活上の不便なこと】

  • 体重の管理が大変。食事の量を減らしても体重が増える人。痩せないように、太りすぎないようにしている人。
  • トイレでの方向転換など、車いすから降りたり乗ったりする動作が難しい。
  • 手先の細かな作業(字を書いたり、錠剤を取り出したりすること等)
  • 最近は、のどが締め付けられる感じがして声が出しにくかったり息がしづらいことがあり、会話にストレスを感じることがある。
  • 指先の運動としてピアノを弾いたりしている。
  • 一人で家にいるときの転倒が心配である。
  • 1日数回電話をかけることで無事を確認している。
  • 転倒した経験から、横着をするのではなく、時間がかかっても安全な方法をとるのが一番であると感じた。


【物を大事にしている】

  • 服などが捨てられない。誰かにあげるのならいいけど、捨ててしまうのは難しい。
  • 近藤麻理恵の片付け術。ときめかない物は捨ててしまう。
  • バザーや友の会に持っていってもらってもらうというアイディア。


【夫婦間のコミュニケーションについて】

  • 夫婦げんかはとくにないが、コミュニケーションが上手くとれないことにイライラすることがある。もしくはコミュニケーションが上手くとれないことをあきらめてしまっている。
  • 声が聞こえなかったり、聞こえたかと思って聞き返すと何も言っていなかったり。
  • ワイヤレスマイクをつけるといいかもしれない。


【寝たきりになってしまったら】

  • 実際にいろいろな患者さんに会うことでこれからどうしていったらいいか考えている。
  • 呼吸器を外すか外さないかという問題が出てくることもあり、意識はあるが意志を伝えられない人はどう思っているか分からないということがある。しかし、実際は皆死にたくないと思っているのではないか。
  • 意識はあるが意志を伝えられない人は意志が伝えられなくてもどかしいと思っていると思われるが、もしかしたらそうではなく、生きていることを実感しながら生きておられるのではないか。
  • 東大の障害学の教授は、目が見えず、耳も聞こえないが、指先の感覚で会話をしている。


【うつ】

  • なんでうつになってしまったんだ、なんで自分が、と思う人がいるが、今はこういうステップなんだ!と客観的になれるといい。
  • うつに陥る状況はいつまでも続くことはないので、この時期は人の痛みが分かるようになったり多くのことが吸収できる時期だと思う。
  • この時期を乗り越えたことで敏感になって人に優しくできるようになった。
  • 家族の病気のことを知ったとき、受け入れられなくて少しうつになった。世界が色をなくしたような、色はあっても輝きがないような。
  • スポーツをしてみたり、悩んでるだけではダメだと思うことでこれからのことを考えられるようになっていった。


【言葉について】

  • コミュニケーションで困るようになってからは言葉に対して敏感になった。丁寧につかったり、いい言葉がすっと入ってくるようになった。いい言葉を聞くことができると充実した気持ちになる。
  • 言葉遣いに不快感を感じる相手に対して、自分が考え方を変えて接すれば、相手の対応も変化していく。