松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2012年6月のサロン

6月23日、イングリッシュガーデンにてホリデーサロンが開かれました。
10名の参加者がありました。今回は心身教育研究所所長・臨床心理士の土江正司さんの参加もあって、密度の濃い対話の時間をもつことができました。以下、サロンの中で出てきた話題です。(もろおか)
 
[介助の学生バイトについて]

  •  バイト先では、そこに従事する介助者の数が少ない。しんどいなとおもうこともあるが、同時に、おもしろいこともある。逆に、息抜きにもなっている。

[病気の中で]

  • ご家族が病気になって、考え方もかわった。最初診断があったときは、「世界から色がなくなった」感じがした。しかし次第に、ふだんのなにげない生活、いつもとかわりのないことが、「ありがたい」と感じるようになった。
  •  人間はステップアップする。状況を受けいれるまで時間はかかるが、受け入れることでそれまでとはちがう、新しい視野が広がることを実感している。
  •  運命を受け入れ、折り合いをつけて、生きていくしかない。尊厳死についておもいをめぐらせることがあるけれど、基本的には生き抜くつもり。
  •  生きている以上はこの苦しみから逃れられない。それは、病気でなくても、誰もそうなのではないか。また、つらくない人生が楽しい人生であるかと考えると、そうだとも思えない。

[サロンについて]

  • 病気で体調はいろいろであるが、自分が出れるときには出るという意識。かならずしも明確な目的がなくても、機会があることを大事にしたい。
  • サロンで話をすることは、実はとても大事な機会になっている。家族の中で閉じこもりがちなときに、元気がもらえる機会。
  • なんの宿題もなく話をすることは、自分の中を空にするのによい。

[あとに残すこと]

  • 「ひとは残さないといけない」ということ。いま持っているものは自分だけのものではない。後の人に残さなくてはならないもの。自分は何を残すかということが大きなテーマ。
  • 子どもの成長記録を残している。
  • こういう具合に生きてきたというもの、「生き方」を残したい。

[コミュニケーションについて]

  •  だんだんと話ができなくなることについて、慣れる部分もある。
  • 話をすることが難しくなると、聞いている側に話をはしょられてしまう場合がある。介護にあたるときも、はしょったり早合点するのではなく、最後まで聞くことが大切。
  • 話を聞くには忍耐が必要!
  • 直接の話をしにくくなってきても、メールでのやりとりだと違和感がなかったりする。
  • いま思っていることをしゃべることで、すっきりする。
  • コミュニケーションは、相手を知ろうとする努力そのもの。担当の看護師さんは全員文字盤が使えるようになった。感謝の気持ちでいっぱいだ。だけど、患者側の努力も並大抵ではない。お互い粘り強く心を開くことが大切だ。

 
【今後の予定】
7/21 米子でのサロン
7/28 次回のホリデーサロン