松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2011年11月のサロン

2011年11月26日、ホリデーサロンが行われました。参加者は8名でした。以下、参加した学生の佐藤君が書いてくれたサロンのようすです。なお、ブログ向けにすこし内容の手直しをさせてもらいました。(もろおか)

 今回のホリデーサロンは、谷田さん夫婦を含む計8名で行われました。全体の大まかな流れとしては、自己紹介、病気の進行具合、生活や仕事において不便なこと、談話といったところです。今回は、ザックバランに話してきましょうということで始まりました。

 参加者のなかには、岡山から片道三時間かけて、自分で車を運転して松江にいらした患者さんがいらっしゃいました。ホリデーサロンに参加したのは約一年ぶりだそうです。筋萎縮性側索硬化症を告知されてから4年になるそうですが、病気の進行具合は遅いそうです。足が不自由で普段は杖を突いているそうですが、日常生活において身の回りのことは自分でしているそうです。しかし、食べ物を飲み込むことに不安があるため、奥さんに離乳食のようなものを作ってもらっているそうです。現在は、仕事場まで、自分で運転をして行っているそうです。
 他の参加者から、奥出雲での車イスでの生活についてお話しがありました。家の中にある段差などのバリアに苦労しているそうです。また、奥出雲町は都市部から遠く、なおかつ路線バスやヘルパーさんの数も少ないため、外出がしにくいそうです。また、奥出雲町にはノンステップバスがないと仰っていました。また、コミュニティーバスには車いすが乗れないため、残る交通手段はタクシーしかなくなるのですが、奥出雲町から都市部までタクシーで移動すると運賃が非常にかかるそうです。
 会話の中で、医療施設の整っていない田舎は不便であるというお話しが出ました。難病の病院は都市部の大病院でしかやっていないため、そこに赴くまでに時間とお金がたくさんかかるそうです。しかし、高齢者が増えニーズが高まるであろう田舎にこそ、医療施設は必要であると仰っていました。また、医療支援が市町村ごとに違うことも気にされていました。
 
 日常生活での工夫として、車の移動ではクッションを使い疲れにくくしているという話がありあました。また別の方は、お尻が痛くなるので車に乗るときはリクライニングを倒して座っているそうです。また、首を安定させるためでもあるそうです。

 病気になってから専用の駐車場を作ってもらうという配慮を会社にしてもらったとのお話がありました。しかし、会社が古い建物であるためバリアがたくさんあるそうです。また別の方は、会社でこけてから勤務場所が変わったそうです。会社にバリアフリーを要求したら自宅勤務を命じられたそうです。逆に、在宅勤務を申請したのですが、会社に却下されたというお話もありました。
 介護保険について、市町村によりサービスが違うため、申請してから書類をそろえるまでがしんどいそうです。役場のサービスがわかりづらいという指摘もありました。もっとサービスがあることを強調してほしいと仰っていました。特に小さな字でサービスがかかれている時は悲しいそうです。病院や役場を行ったり来たりしながら、書類の不備を訂正するのは、時間とお金がかかりとても大変だそうです。自分たちはまだ若いから理解できるが、高齢者の方には難しいであろうと仰っていました。専門の窓口があればうれしいという声もありました。書類を提出しに行く日は、一日仕事を休まなければならないというお話もありました。

 

 イングリッシュガーデンは目の保養になるそうです。来る時に見た水仙がきれいだと仰っていました。昨年は雨だったため見ることができなかったそうです。