松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2012年4月のサロン

2012年4月28日 のホリデーサロンには、15名の参加がありました。あれこれと話を交わしているうちに、コミュニケーションのとり方が大きな話題になりました。島根県立大学看護学科の学生さん5名の参加があり、「看護師としてのコミュケーションのとり方」についても質問がありました。(もろおか)

■ コミュニケーションの機会
 家に籠もりがちな患者は、どうしても家の外のひとと話をする機会が減ってしまう。このことが、さまざまな問題を患者ひとりで、あるいは家族内だけで抱えてしまうことにつながってしまいがち。そうしたとき、このホリデーサロンのようなサロンの開催はひとつの助けになる。

■ 病院でのコミュニケーション
 現状では、看護師であっても必ずしも透明文字盤が使えるとはかぎらない。コミュケーションができないことは、単に意思疎通ができないというだけの問題ではなく、医療過誤のつながる可能性がある。つまり、コミュニケーションの方法を確保することは、特殊な医療技術より以前に整えるべき、医療や看護の条件である。
 松江医療センターの看護師さんは、最初透明文字盤を使えなかったひともいたが、今ではみなさん使えるようになった。多少の努力でとれるはずのコミュニケーションをとらないままにしている病院があるのは、ふしぎなこと。

■ 病院の忙しさ
 コミュニケーション障害への対応が遅れている理由のひとつとして、病院の忙しさがある。現場の人もジレンマを感じている。他方、在宅医療では比較的、コミュニケーション問題への対処が進んでいるところもある。本当は病棟でも対応できなくてはいけないが、なかなか在宅医療での方法を病棟に伝える手段がない。

■ 病いと気持ち
 病気とつきあう中で、気持ちが上下することはかならずある。また、介護するひとと患者との気持ちが連動して動くということもある。介護者の気持ち、介護者としての役割の理解も大切。

■ 「心の片づけ方」
 落ち込んだとき、問題があらわれたとき、「心の片づけ方」が大事。自分自身で「心の片づけ方」を学ぶこと、またサポートする側になるときは、それを人に伝えるということ。心のサポートでは、相手の心と同調できたときに癒しが起こる。

 

■ 学生さんからの質問:看護師としてのコミュニケーションのとり方について
 患者さんに「このひとならわかってくれる」と思ってもらえる関係をつくること。「相談をしたい」という雰囲気が出すことができれば。患者さんに話してもらわないと分からないことがたくさんあるので、こうした関係をつくることが第一。その過程は時間がかかるかもしれないが。
 その上で、その人の欲していることを聞くこと。患者さんは、「本当の気持ち」を話すとはかぎらない。たとえば、内心感謝をしていてもふてくされるような人もいる。
 「一言多い」看護師さんはよい。たとえば、「いつでもベルを押してください」「なんでも言ってください」など、声をかけてくれるひと。

■ 男性の看護師
 最近は男性の看護師が増えている。どういうわけか、男性はやさしい、女性の方がさばさばしている印象・・・? 男性看護師もだんだんと違和感がない。

■ 「深読み」をしない
 患者の側から、看護師さんに気を遣いすぎる必要はない。かつて看護師さんの心を先読みしながら注文やお願いも出していたが、このことをある看護師さんに言われて、ホッとすると同時に、逆にいろんなことがスムーズに進むようになった。
 患者の側からはっきりとストレートな主張をすることが、患者自身にとっても、看護・介護をする側にとっても良い場面がある。

 

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[この日のイングリッシュ・ガーデンの景色から]