松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2013年4月のサロン

4月27日、今回はイングリッシュガーデンではなく、谷田さん宅にてホリデーサロンが開催されました。患者家族を中心に、6名でのサロンとなりました。

今日は、かつての患者家族をめぐる状況などの話が出てきました。ここ十年ほどで、大きく状況が変わったとのお話しでした。ALSが数の少ない難病であること、また島根県内となるとさらに患者・家族の数が少なくなることから、志のある方のひとつひとつの取り組みが大きな意味をもつことを感じました。(もろおか)

 

2013年1月のサロン

2013年1月28日、ホリデーサロンが開催されました。あいにくの悪天候ではあったみたいです。以下のように、参加した学生の河原彩織さんがレポートを書いてくれました。(もろおか)

 


 今回のサロンは天候が悪いこともあって私と谷田さんの奥さんの2人だけでしたが、とても楽しくお話させていただきました。私は今回のサロンに参加するまでALSという病気を全く知らなかったので、そうした病気があるということを知ることができただけでも1つ勉強になったと思います。
 簡単な自己紹介から始まり、いろいろなお話をさせていただく中で心に響く言葉がたくさんありました。どの言葉にもとても説得力があり、納得し感心するばかりでした。


 主にお話したことは、
①人生何が起こるか分からない
②病気になったからこそ頑張れているわけではなく、今まで前向きに頑張ってきたから今も頑張れている
③人生ってその人が時間をどう使うかだよね
④今年の目標について
などでした。


 ①については、病気をしたことは思いがけないことだったけど、今は幸せだとおっしゃられていました。私もこれまで思った通りにいかないことも多く、そのことに悲観的になっていたので、思い方次第でその状況を異なる視点から捉えて良いところを見つけることができるようになりたいと思いました。
 ②については、私が番組を見て「頑張ろうと思った。勇気をもらった。」などの感想を言ったところ、佳和子さんがこのようにおっしゃられました。たしかにいざ頑張ろうとしたところで、それまでの積み重ねがないとどのように頑張っていけばいいか分からないだろうし、他のことと同じように急にはできるようにならないものです。谷田さんが長年記者として頑張ってこられたことがあったからこそ、今もさまざまなことに取り組まれていてその存在だけで頑張ろうと思わせてくれるのだと思いました。
 ③については、この言葉はある人から聞いた言葉だそうで、私が最も印象的に残っている言葉でもあります。ちょうど今、授業もなくたくさん時間がある中でずっと寝ていたら1日が終わってしまったという生活をよくしてしまう自分に腹が立っていたので、この言葉を聞いた瞬間生活を見直さなければならないと改めて強く思いました。お話の中では、年老いた時に好かれる人と嫌われる人に分かれるということや、イチローのようなすごい人は毎日の動き(朝起きてから寝るまでの動き)が一緒であるということをおっしゃられていました。これは②の話と通じる部分もありますが、積み重ねがある人はどのようなことが起こっても強く生きていくことができるのではないかと感じました。私は、先に述べたように生活リズムがとても不規則なので、まずは生活リズムを直すところから始めていきたいと思いました。
 ④については、私の目標は「素直になること」であるのに対して、佳和子さんは「脱皮の年にしたい」とおっしゃられていました。それは今年がへび年であることと関連しているそうです。他の干支もそうですが、へび年12年に1度しかやってこないため、これからの12年をやっていくために脱皮をしたいとのことでした。これは私の目標とも似ていると思ったので、私も「脱皮」を目標に頑張っていきたいと思いました。


 私は「一期一会」をとても大切にしているので、今回のサロンへの参加して良かったと心の底から思っています。また機会があればぜひ参加したいです。ありがとうございました。

2012年12月のサロン

12月22日、イングリッシュ・ガーデンにてサロンを開催しました。

谷田さん夫妻をはじめ、5名の参加がありました。

 

お菓子をいただきながら今回もあれこれとお話し、以下のような話題が出ました。

  • 病気の進み方、その中での心の揺れについて。
  • 気晴らしとしての音楽について。病気になったからといって、音楽の好みがかわるわけではないとのお話。新たにベートーベンが好きになったというお話。また別の方、長渕剛中島みゆきのポジティブで前向きな曲がいいといういうお話。また、音楽がなくとも心を落ち着ける方法をもっているという方のお話。
  • 能楽のお話。学生時代の能の経験で身につけた辛抱づよさが、その後生きているとのお話。能は芸事なので、「これでいい」ということがなく、妥協ができないのだそうです。
  • いまのNHK朝ドラが「どろどろ」だというお話!

このように今回は、音楽や芸術のもつ力についてのお話になりました。音楽も芸術も、思わぬところで、「余暇のたのしみ」という以上の意味をもってくるものなんですね。(もろおか)

 

2012年11月のサロン

11月24日、松江イングリッシュ・ガーデンにてホリデーサロンを開催しました。

谷田さん夫婦を含めて、5名の参加がありました。以下、初参加の学生・中田君から、今回あったお話しの報告です。(もろおか)

 

 [近況報告]
・中国ブロック大会で報告。来年鳥取県支部ができるとのこと。
・山口県の個人(看護協会関係者?)がショートステイ施設をはじめた。
・松江にもナーシングホームやショートステイがあればいい。
・ショートステイを利用すればヘルパーや家族も休める。
・学校と併設し、学生のボランティアを。
・松江にも作るにはどうしたらいいだろう。

[入院の話]
・市立病院は食事休憩中、看護師が1人になる
→ナースコールを呼んでもこない。結局1時間以上またされ、他の看護師が帰ってきてから来た。
・ご飯休憩中に一人の看護師だけに任せるのはやめるようにお願いした。

[海士町の話]
海士町へ旅行に行ったがIターンで若者が多い。
・役場が地域活性を目的にIターンを募集している。
海士町は活気があってよかった。

 

2012年9月のサロン

9月22日、ホリデーサロンが開かれました。今回は9名の参加者がありました。

今回出た話題は、次のようなものでした。(もろおか)

 

  • それぞれの近況。時節柄、お墓参りのお話しなど。
  • 鳥取県で、ALS患者組織の立ちあげが動いているとのお話。しかし、患者さんの情報がわからないので、呼びかけがしにくいとのこと。鳥取では57人の患者さんがいるはずだが、連絡がとれるのはその内数名。
  • ケアマネさんから、ケアの話、患者家族とのコミュニケーションの話。
  • 患者と家族のけんかのお話。「呼吸器つけてもけんかはできる」!。仲なおりのきっかけの話など。
  • 在宅療養について。たいへんそうにみえるが、在宅なら在宅と決めてしまうことで楽になる部分もある。
  • 難病をはじめ、そもそも病気のことをどこまで語るかどうかという問題は大きい。隠すひとも少なくない。

2012年7月のサロン

7月28日、イングリッシュ・ガーデンにてホリデーサロンが行われました。

今回は少人数の会となりましたが、そのぶん、内密のお話(というほどでもないんですけど)も含めて、お互いにゆっくりお話しができたようにおもいます(もろおか)。

2012年6月のサロン

6月23日、イングリッシュガーデンにてホリデーサロンが開かれました。
10名の参加者がありました。今回は心身教育研究所所長・臨床心理士の土江正司さんの参加もあって、密度の濃い対話の時間をもつことができました。以下、サロンの中で出てきた話題です。(もろおか)
 
[介助の学生バイトについて]

  •  バイト先では、そこに従事する介助者の数が少ない。しんどいなとおもうこともあるが、同時に、おもしろいこともある。逆に、息抜きにもなっている。

[病気の中で]

  • ご家族が病気になって、考え方もかわった。最初診断があったときは、「世界から色がなくなった」感じがした。しかし次第に、ふだんのなにげない生活、いつもとかわりのないことが、「ありがたい」と感じるようになった。
  •  人間はステップアップする。状況を受けいれるまで時間はかかるが、受け入れることでそれまでとはちがう、新しい視野が広がることを実感している。
  •  運命を受け入れ、折り合いをつけて、生きていくしかない。尊厳死についておもいをめぐらせることがあるけれど、基本的には生き抜くつもり。
  •  生きている以上はこの苦しみから逃れられない。それは、病気でなくても、誰もそうなのではないか。また、つらくない人生が楽しい人生であるかと考えると、そうだとも思えない。

[サロンについて]

  • 病気で体調はいろいろであるが、自分が出れるときには出るという意識。かならずしも明確な目的がなくても、機会があることを大事にしたい。
  • サロンで話をすることは、実はとても大事な機会になっている。家族の中で閉じこもりがちなときに、元気がもらえる機会。
  • なんの宿題もなく話をすることは、自分の中を空にするのによい。

[あとに残すこと]

  • 「ひとは残さないといけない」ということ。いま持っているものは自分だけのものではない。後の人に残さなくてはならないもの。自分は何を残すかということが大きなテーマ。
  • 子どもの成長記録を残している。
  • こういう具合に生きてきたというもの、「生き方」を残したい。

[コミュニケーションについて]

  •  だんだんと話ができなくなることについて、慣れる部分もある。
  • 話をすることが難しくなると、聞いている側に話をはしょられてしまう場合がある。介護にあたるときも、はしょったり早合点するのではなく、最後まで聞くことが大切。
  • 話を聞くには忍耐が必要!
  • 直接の話をしにくくなってきても、メールでのやりとりだと違和感がなかったりする。
  • いま思っていることをしゃべることで、すっきりする。
  • コミュニケーションは、相手を知ろうとする努力そのもの。担当の看護師さんは全員文字盤が使えるようになった。感謝の気持ちでいっぱいだ。だけど、患者側の努力も並大抵ではない。お互い粘り強く心を開くことが大切だ。

 
【今後の予定】
7/21 米子でのサロン
7/28 次回のホリデーサロン