松江・ホリデーサロンだより

ALS患者・谷田人司さんの主催で、月に一回開かれているサロンです。

2013年12月のサロン

2013年12月28日、恒例のホリデーサロンが谷田さん宅で開催されました。参加者は5名でした。この日はかなりの量の雪が降り、移動はたいへんでしたが宍道湖の景色はきれいでした。和やかな雰囲気のなか、お話しは尽きずそれではまた今度、とあいなりました。

なかでも、お医者さんと役所とのやり取りの順番といったお話しや、目が見えにくくなったときの対処法のいろいろ、車いすのタイヤの種類、谷田さんの出演された番組へ寄せられた声、それになぜか赤ん坊が記憶している前世(!)のお話しまで、ずいぶん話題豊富な2時間でした。(もろおか)

 

しんじ湖温泉駅から内中原町へ

最近のサロンは内中原町の谷田さん宅で開催しています。一畑電車松江しんじ湖温泉駅から内中原町方面(=県庁方面)へ向かうあたりは、古い城下町の掘り割りで、情緒もあってよいのですが、車イスの方は要注意。

「交融橋」は交通量が多い上に、車イスではたいへん通りにくく、危険です。交融橋まで北上せず、もっとも手前のガソリンスタンド、エネオス・サンライズ松江の脇のとおりから東に入るようにしてください。そこから北進して、内中原交番へ抜ける橋を渡った方が行きよいと思います。

こちらのルートも小さな路地ではありますので、やはり十分ご注意を。


大きな地図で見る

2013年11月のサロン

2013年11月のホリデーサロンにつき、参加してくれた学生の河原さんが書いた文章を掲載します。

 1123日、谷田さんのご自宅でサロンが開催されました。このサロンに参加するのは2回目で、ご自宅に伺ったのは初めてでしたがとても綺麗で居心地がよく、あっという間の2時間でした。玄関からリビングまで段差がなかったり、廊下が広かったりするなど車椅子が通りやすい部屋のつくりになっていると思いました。

 今回は参加者の方の近況報告が主な話題でした。ある参加者が、9月にお母さんと行かれた4泊5日の九州旅行で訪れた場所などを日程に沿ってお話していただきました。九州はほとんど行ったことがなかったため、どの話も新鮮でとても楽しく聞かせていただきました。

旅行中はヘルパーさんを頼み、車を運転してもらったり入浴介助をしてもらったりしたそうです。身体が不自由だったり車椅子だったりすると旅行中にさまざまな困難に出合うと思いますが、ずっとヘルパーさんについてもらうことでそうした心配がぐんと減るでしょう。どれだけの人がこうした制度を知っているか分かりませんが、楽しんで旅行をするためにはとても良い制度だと思います。

また、お話の中で行く先々での身障者用トイレの話が印象的でした。特に鹿児島の知覧町の設備が整っており、天井につり革が何本かぶら下がっていてその横につり革の使い方についての説明書きもあったそうです。一般的には手すりがついている所が多いですが、そのつり革は手すりが使いにくい人のために設置されているようです。身障者用トイレはよく見かけますが、内部を見たり使ってみたりする機会はなかなかありません。やはり使用する方の意見・要望を取り入れ、誰でも使いやすい身障者用のトイレへ改善していってほしいです。

普段の私たちの視点では気付かない所もたくさんあります。小さなことかもしれませんがこうした方々の視点を大切にし、観光地などに限らず、改めて誰もが生活しやすいバリアフリーな環境を整えていく必要があると思いました。

2013年9月のサロン

 9月28日、谷田さんのご自宅でサロンが開催されました。最近は、参加人数が少なくなっています・・・。参加者の近況のほか、介護と仕事の両立という問題が話題になりました。ここで出た話のひとつを紹介しておきましょう。

 介護が必要な病気にかかりますと、不足はあるにしても、さまざまな支援制度がありますので、それらを利用することになります。しかし、そうした支援はもちろん自動的に受けられるわけではなく、どんな制度があり、どこでどんな手続きをしなければならないかといった情報をまず手に入れる必要があります。

 そうした情報を手に入れるには、ソーシャル・ワーカーさんであったり、地域包括支援センターの方などに尋ねてみるとよいかもしれません。このサロンのように、同じ境遇の先輩に訊く機会があると、もっとよいかとおもいます。誰か詳しいひとがいないと、なかなか分からないですね。

 情報を手に入れたとして、今度は手続きをしなくてはなりません。仕事をしながら家族の介護をするときにたいへんなことのひとつはこの手続きで、窓口が開いている時間に役所へ出かけようとすると、仕事を休まねばなりません。また、書類をきちんと揃えるまでに、何度も通わねばならないこともよくあります。

 介護が必要な家族がいれば、それだけでも仕事を休む必要が出てきたりするのに、書類の手続きでまた休暇をとらねばならないとなると、これもなかなか困ります。

 病気になると、病気以外のことで困ることがたくさんあり、こうした手続きの問題もそのひとつです。こうした事柄は、たとえ画期的な新薬や治療法を開発することができなくても、ちょっとの工夫や協力で解決できるはずではないでしょうか。(もろおか)

2013年7月のサロン

2013年7月27日のサロンは、谷田さんのご自宅で開催されました。

参加者それぞれの近況を中心に歓談しました。そのうち、レスパイト入院時の苦労といった話にもおよびました。

大野更紗さんの『困ってるひと』ではないですが、難病に罹ると、たんに病気から発する身体的な苦労だけでなく、ある意味ではそれ以上に、制度や人間関係にかかわる苦労もふりかかってきてしまうようです。病気になっても安心、という環境にしていきたいものですね。

(もろおか)

2013年6月のサロン

6月22日、谷田さんのご自宅でホリデーサロンが開催されました。

今回は、6名の参加がありました。

さまざまな話題が出ましたが、とりわけ印象的だったのは、知識として病気のことがいくら分かっても、その病気の扱い方や、生活の応援の方が大切なんだというお話でした。(もろおか)

 

2013年5月のサロン

5月25日、谷田さんのご自宅でホリデーサロンを開催しました。参加者は、取材の方を含めて、7名でした。そのうち毎日新聞に記事が出るんでしょうか。

  • レスパイト入院中のコミュニケーションボランティア支援制度のお話。支援制度がちゃんとある県もあれば、ない県もある。市でやるという手も。
  • ALS患者にとって、レスパイト入院が苦痛であるというお話。たとえば、手間がかかる、あるいは「危ない」というので、トイレにもいかせてくれない。そのため、患者が個人的に病院までヘルパーさんを呼ぶというようなこともある。
  • 車イス一般のお話。車イス生活向きの賃貸住宅を探そうとすると、これもまたトイレが難しい。なにせ、トイレのドアの幅が小さすぎるところがほとんど。車イス向きの建物もあるにはあるようだが、情報収集がなかなか困難!
  • 泊まるホテル。東横インのハートフルルームはなかなかいい。2008年の硫化水素発生事件の話にまでなったが、これをまっさきに取材したのは谷田さんだそう。
  • 在宅生活に必要な、患者家族対象のケア講習会というものがない。また、病院で教わるやり方は、手間がかかりすぎるなど、かならずしも日常生活向きではない。家族の側で試行錯誤して、いい具合のやり方を見つけていく。
  • それまであまり思っていることを言わなかった人が、病気になって思っていることを言うようになったという話。これはよいこと。

・・・と、こんなかんじで、今回もいろいろな話になりました。次回は6月22日です。(もろおか)